毎年お正月になると、おせちを食べるご家庭も多いですよね。
でも、今までよくわからないまま食べている具材ってあったりしませんか?
私は、
「なんだコレ...」
と思いながら、恐る恐る口にしてみて、あ、意外に美味い...!!
と、食材が謎のまま口に運び、結局あれはなんだったんだろう。
という事を毎年感じながら食べていました(笑)
おせちに入っている食材って、おせちを食べる時にぐらいしか食べることのない食材も入っていたりします。
しかし、その一つ一つにちゃんと意味が込められているんです。
古来から続く伝統的料理であるおせちには、縁起の良い意味や願いが込められている食材ばかりです。
せっかくなら、自分が何を食べていて、どんな意味があって食べてるのかも知っていると、おせちを食べるのが楽しくなりそうですよね^_^
今回は、
・おせち料理の具材の意味や由来
・おせち料理の重箱の意味
について、詳しく解説していきます。
是非、来たるお正月のおせち料理に向けて参考にして下さいm(_ _)m
おせち料理の具材の意味や由来は
わかりづらいものだけ、写真付きでご紹介していきますね^_^
■黒豆
黒という色は、中国の宗教の意味では厄除けの意味があるとされています。
肌が黒く日焼けするほど、マメ(勤勉)に働けるようにとの願いが込められています。
大豆ですので、タンパク質やビタミン類などの栄養源も豊富に含まれています。
■数の子
数の子は、ニシンの腹子です。
ニシンは本来、漢字で「鰊」と書きますが、「二親」とも書き、たくさんの卵が生まれることから、子孫繁栄を願う意味が込められています。
また、ニシンは昔、「カド」と呼ばれており、腹子は「カドの子」と呼ばれ、次第にそれが「数の子」と呼ばれるようになったとの言われもあります。
■田作り
かたくちいわしの稚魚の事です。
小さくても尾頭付きです。
昔は肥料として使われていて、別名ごまめ(五万米)とも呼びます。
田作りと呼ばれる由来も、昔に肥料として使われていた事から来ています。
豊年豊作の意味がある「五穀豊穣」の願いが込められています。
■たたき牛蒡(ごぼう)
たたきごぼうとは、柔らかく煮たごぼうを叩き、身を開いて、開運の縁起をかついだものの事を呼びます。
ごぼうは地面の中に、根を深く強く張ります。
その土地にしっかりと根を張って安泰に暮らせるように。
という願いが込められています。
ごぼうの産地である八幡市の郷土料理としても知られる、「牛肉の八幡巻」も、おせち料理として出している地域もあります。
おせちが苦手な子供でも美味しく食べれる一品です。
■栗きんとん
漢字で「栗金団」と書くことから、金運を招く料理として知られています。
栗の実を殻のまま干し、臼で搗(か)ち、殻と渋皮を取り除いたものを搗(か)ち栗と呼びますが、戦国時代には、戦の際にこの搗(か)ち栗が保存食として食べられていました。
これを「勝ち栗」とし、出陣や勝利の祝い、正月の祝儀に、現在は栗きんとんとして食べられています。
■伊達巻き
「伊達(だて)」には、本来、お洒落、人の目を引く、等の意味があります。
さらに、卵を混ぜることで黄金色になることから、豪華で見栄えもいいので、“晴れの料理”として、おせち料理に含まれるようになりました。
巻物には、知識が増えるようにとの願いが込められており、巻物=書物として、学問を象徴すると言われています。
■紅白かまぼこ
紅白はハレを意味し、お祝い事全般に使われます。
赤は魔除け、白は清浄の意味があります。
また、かまぼこの形が「日の出」に似ている事から、初日の出を表現した、めでたい縁起物であるとされています。
■紅白なます
なますとは、大根やにんじんを酢あえにしたものの事を言います。
にんじんが紅、大根が白として、お祝いの意味である紅白を表現しています。
地域により、干し柿、昆布などが使われる場所もあるようです。
■昆布巻き
古来から「養老昆布(よろこぶ)」といわれ、縁起が良いとされています。
喜ぶの語呂合わせとして、家族の幸せを願う意味が込められています。
また、「子生(こぶ)」と書いて、子孫繁栄の意味を込める場合もあります。
■蓮根(れんこん)
れんこんの穴には、「将来の見通しがきく」という意味があるとされています。
おせち料理として出る場合、れんこんの酢の物として出る事が多いです。
■里芋(八頭)
基本的に、おせち料理に使われる里芋は、里芋の栽培品種の一つである、「八頭(やつがしら)」を使う事がほとんどです。
八頭は、通常の里芋よりも高価で、末広がりの“八”が名前に付いている事から、発展、繁栄などの意味があるので、縁起が良いとされています。
■お煮しめ
根菜・芋類、こんにゃく、昆布、鶏肉などを一緒に煮ることから、家族団らんで仲良く楽しくいられますように。
という願いが込められています。
地域により、煮る具材にバラツキがあるようです。
■ちょろぎ
シソ科の植物の根っこにある「球根」のことで、赤い渦巻き状の可愛らしい見た目の食材です。
「長老木」「長老喜」と書いて、“ちょろぎ”と呼び、長寿を願ったものとされます。
大体は黒豆の横に添えてあり、黒豆の「マメに働く」と、ちょろぎの「長寿」を合わせて、「マメに健康で末永く働けるように」との意味が込められています。
■くわい
古くから、茎の先に芽が見えることから、「めでたい(芽出たい)」として、出世を祈願する意味が込められています。
おせち料理でしか食べないような、珍しい食材です。
■するめ
古来、「寿留女(するめ)」と書き、結納品として使用されており、祝儀の膳としては縁起の良い品とされていました。
九州の一部では、お雑煮の出汁にも使われる素材です。
■くるみ
「実り」「家庭円満」と言う意味が込められています。
くるみの硬い殻が、家庭円満を守ってくれるとされています。
■菊花かぶ
菊は、邪気祓いと長寿の象徴とされています。
菊花かぶは、冬の時期に旬であるかぶを菊の形に飾り切りし、紅白色に染めて酢の物にしたものです。
■海老
長い海老の髭(ひげ)と、曲がった腰から、
“腰が曲がるまで長生きが出来るように”
との願いが込められています。
海老は茹でると腰が曲がるので、基本的に艶煮(つやに)と言って、みりんなどで照りを出して煮た状態で料理に出されます。
■鯛
「めでたい」という語呂合わせから来ています。
関西の一部の地域では、“正月と言えば鯛”と言われるほど、鯛の塩焼きがおせち料理にはなくてはならない存在だと言われています。
また、鯛の姿焼きは、福の神である恵比寿様が持つ魚として相応しい魚とされています。
■棒鱈(ぼうだら)
棒鱈とは、マダラの干物の事で、九州の一部地域や京都などでは、鯛の塩焼きと同様、おせち料理には欠かせない一品だと言います。
ハレのめでたい日に、縁起物として食べられると言われています。
■松風焼き(まつかぜやき)
出典元:j`s kitchen様より|http://blog.livedoor.jp/junhappy112/archives/1016407655.html
おせち料理にもよく入っている、ひき肉などに調味料や卵などを混ぜて、表面に白ゴマなどをまぶして焼いたものの事です。
表面には白ごまなどをまぶしますが、裏側にはなにも手を加えません。
この事から、“裏のない、隠し事のない真っ当な人生を歩んでいく。”
という意味が込められています。
おせち料理の重箱の詰め方の意味とは?
近年、市販で売られているおせちを見ると、三段重ねのおせち料理が多く見受けられます。
ご家族、親戚の多く集まるご家庭は、五段重ねのおせちを頼むかもしれませんが、三段と五段で、それぞれ重箱への詰め方に違いがあるんです。
一番上から順に数えていき、1段目を“一の重(いちのじゅう)”と呼びます。
順に、
二の重(にのじゅう)
三の重(さんのじゅう)
与の重(よのじゅう)
五の重(ごのじゅう)
と呼びます。
4段目のみ、四が死に繋がるということで、“与”という字に置き換えています。
また、5段目の五の重は、“控えの重”と呼ばれ、福を詰める場所として空にしておきます。
もしくは家族の好物を忍ばせておいたり、予備の料理を入れる重となっています。
三段重ねと五段重ねで、それぞれ詰め方を見ていきましょう。
おせちの重箱 三段重ねの場合
一の重 ~祝い肴・口取り~
黒豆、田作り(関東に多い)、たたき牛蒡(関西に多い)
紅白かまぼこ、伊達巻、昆布巻、栗きんとんなど
ポイント
関西では黒豆・数の子・たたき牛蒡の3種の事を言う。
・口取り…最初に出される、フランス料理で言う所の前菜のようなもの。
二の重 ~酢の物・焼き物~
紅白なます、数の子、菊花かぶ、鯛、海老など
三の重 ~煮物~
れんこん、里芋(八頭)、くわい、こんにゃくなど
おせちの重箱 五段重ねの場合
一の重 ~祝い肴~
黒豆、数の子、田作り、たたき牛蒡など
二の重 ~口取り・酢の物~
紅白かまぼこ、伊達巻、昆布巻、紅白なます、数の子、菊花かぶ、栗きんとん、ちょろぎなど
三の重 ~焼き物~
鯛、海老、など
与の重 ~煮物~
れんこん、里芋(八頭)、くわい、こんにゃくなど
五の重
・空にしておく
・家族の好物を忍ばせる
・予備の料理
さいごに
おせち料理には、たくさんの意味が込められています。
そのほとんどが、幸せ・健康・家族の絆を深めると言った願いが込められたものばかりです。
新年と共におせち料理を食べて、今年も健康で、家族皆で笑って過ごせるように願いましょう^_^